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はじめてのチュウ」カバー その2 Hi-STANDARD


かつて日本を代表するパンクバンドとして君臨していた彼らがカバーしたおかげでロックバージョンが一気に全国で流行り始めました。

 

音符:ハイスタ  音符:原曲  ハイスタのキー「A」で記譜しています  コード名:ガガガSP コード名青::原曲

ぼ~っと聴いてると気がつきませんが、まずは「はじめての~」の「」に当たる音、英語では「kiss」の音が違っています
実はコードを考えると原曲の音のほうに若干無理があるのです(笑;)
 サビに入る時の「はじめての」の「ての」(相対音階でいうと「ミミレドミ」の「ドミ」)という音はある意味たいへん日本的な音なのです。
ここはコードが無い場所ノンコード(昔はBreakと言ってました。Taccetとも言います)と解釈できる場所です。
一瞬ドミナントセブンスコード(本キーAではE7、原曲キーEではB7に相当)でBreakしているのですが、もし
小節いっぱいにバックでコードが流れていたら、原曲の音は唄いにくいですよね。それは、

 「」と「」の音(英語では「first」「 kiss」の部分)がコードに無い「主音」と「第3音」が連続しているからです。
そうですハイスタはそこで「主音」+「第2音」の流れで唄っています。
相対音階で言うと「ミミレドミ」ではなく「ミミレドレ」と唄っているのです。

 これは旋律的には、コードに含まれない音次に出て来る音としては、

今度はそのコードに含まれる音が登場するほうが自然なので、
ハイスタの唄い方の方がより音楽的(西洋音楽的)と言えるかも知れないし、

彼らは頭で考えたのではなく自然にそうなったのだと思います。

(しかし元々「ド」の音が出現する段階でこの曲のメロディはかなりPopsとしては特殊ですけれどね;笑;)
のちに多くのロックバンドはハイスタに追随してますね。

 さてさて、ハイスタはサビの途中でも音を変えています。
キムタクともまた違う音です。「I will give you all~」の「you」を1音上げていますね。
ロックっぽくシャウトするとついつい上げたくなるものですね(笑;)。
 これは次に出て来る「Why is it I feel this」の「I feel」(日本語では「なぜかやさしい」の「さしい」の部分)相対音階でいうと「ミソドレドラb…」の「ドド…」と似ている旋律になります。
作者としては、まず「I will give you all my love」を日本的で優しい旋律、そして次の「なぜかさしい」は激情フレーズ
この二つの部分の違いを明白にしたいという本能(笑;)が働き、原曲のメロディになったのですが、
ロックののりではいきなり激情型に、そう、ハイスタのメロディもありかと思います。

その他のロック系、カバー(サビがそれぞれに少しづつ違っています;皆様色々、こういうこともはじチュウの特色かも…ありがたいやら困るやら;笑;)
ガガガSP  SCANDAL

 なお、「なぜかやさしい~」部分でサブドミナント(譜面のコードD=青色)のところをいきなりサブドミマイナー(譜面のコードDm=赤色)にしちゃっているカバー(ガガガSP、ハナレグミ、山崎まさよし他:キーはそれぞれ違います)が結構見受けられます。意図的なのか、コピーを間違えたのか、本人達に訊いてないので断定は出来ませんが…多分間違えたのだと思います;;;