あんしんパパについて…
あんしんパパって いったい誰? という質問がいまだにある(汗;)
多くの人は既にご承知、
あんしんパパというアーティストは、
リアルタイムには存在しない架空の歌手(加工ヴォイス)です
と言っても初音ミク(ヴォーカロイド)ではない!
「
はじめてのチュウ」は
フジテレビのアニメ「キテレツ大百科」のテーマソング
(始めはオープニング)として採用されたのが最初だけれど、
以来、番組がとっくに終わった今でも人々の心に生きている…らしい…。
作者として嬉しい限りでございまする。
さてそのテーマソング「
はじめてのチュウ」がTVで流れていた時
『
作詞・作曲・編曲 実川俊晴』とと共に『唄
あんしんパパ』という
クレジットを見て、何だろう?と思った人が少なからずいらっしゃったと思います
可愛らしいのに不可解なイメージのあんしんパパですが
実際のレコーディングは、それはそれは超現実的、
全然ロマンティックなものではなかったのだぞ(笑;)
何も考えずに、テレビの映像から、
アニメのキャラクターの
コロ助(の声優さん)が唄っているとばっかり
思っていた方も大勢いらっしゃったけれど、
単純に作曲した人間、つまり僕(
実川俊晴)が
レコーディングスタジオで唄っていたなんてね〜、
面白くも何ともないよね〜
そして作品自体は
コロ助や「
キテレツ大百科」のために作ったのでも何でもありません
実は
ハツカネズミや
ビーバー、我が家で飼っていた
ハムスターの声をイメージしていたのです
え〜?つまらないって? スイマセンねぇ、
でもこれからが、事実を知らない人にとっては面白い(かもしれない)裏話!
そう…ただ唄ったと言うわけでは無いのでござる。
録音時、機械(エフェクター:
ピッチチェンジャー)で処理したのでも無い!
な、な、なんと、
あれは、レコーディングの時に
アナログテープの回転を落として録音をしたのです
それもなんと
半分のスピードで・・・
おそらく、
みなさんの中で音楽を半分のスピードで、唄った事のあるひとはいない
と思う
誰かがYouTubeでそれを試したという映像があったけれど、不完全だったね(笑;)
そう、テンポが滅茶滅茶遅くなる?
いえいえそればかりではありません
どうなるかというとなんと
キーが1オクターブも低くなるのです
つまり、あのケロケロのロボ声を、あとで普通のテンポで聞かせるためには、
録音の時に、お経のようなイメージで
スローに唄わなければならないのです
それはかくも
辛い苛酷な録音です
長いフレーズなど息が続かなくて死にそうなるし
テンションは下がるし…
数行唄ったところでその都度
回転を元に戻して再生(プレイバックという)し、
音程・リズム・発音・雰囲気を確認しては、
また
スピードを半分に落として録音…そのくり返しの中で
ふとガラスの向うを見やるとディレクターその他の関係者はもちろん
なんとチーフエンジニアもお経のようなBGMの中で、
睡魔との戦いに敗れ、こっくりこっくりしているではないか!
「
はじめてのチュウ」のレコーディング、
あんしんパパという架空のアーティストの声を作り上げるには
かくも地獄のような作業が必要だったのでござる、そして
……
その2へ続く